アウトライン(OUTLINE)
時計専門誌の総編集長が手がけるオリジナルブランド
“アウトライン(OUTLINE)” の
記念すべき第1号機!


時計ブランド「アウトライン(OUTLINE)」は、「POWER Watch」「LowBEAT」そして「TIME Gear」と数々の時計専門誌を手がけている菊地吉正が、数多くの時計に長年接してきた経験を生かし、ファッショナブルで長年愛用できる時計にこだわって作りたいと、自らが立ち上げたブランドです。その記念すべきファーストモデルが1年半かけてようやく完成。今回、そのファーストコレクションを発売します。

■プロジェクトオーナーのプロフィール
菊地吉正

Yoshimasa Kikuchi |菊地吉正
「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」「タイムギア」など時計専門誌を次々に生み出し、現在は発行人兼総編集長として時計雑誌の刊行数は年間20冊以上。近年では商社とのコラボレーションによって立ち上げたヒストリカルコレクションやANA(全日本空輸)の機内で販売するANAオリジナルモデルの監修も行うなど、雑誌作り以外にも精力的に活動している。そして今回、そんな経験を生かし、さらにじっくりと時計作りに取り組んで行きたいという思いから、オリジナルブランド「アウトライン」を自らが設立した。



アウトライン(OUTLINE)

OUTLINE(アウトライン)とは
こんな時計ブランドです


 これまで私は、時計専門誌の総編集長という傍ら、商社とのコラボレーションによる製品開発やANA(全日本空輸)向けの別注モデルなどでアンティークテイストの時計の監修もしてきましたが、時計専門誌の編集者として、長年多くの時計を見てきた経験値を生かし、もう少しじっくりと時計作りに取り組んでみたいという考えから、この度オリジナルの時計ブランドを立ち上げさせていただきました。
 ブランド名は“アウトライン(OUTLINE)”。アンティークウオッチそのものズバリではないですが、機械式腕時計の黄金期だった、1940〜60年代の雰囲気を大切にし、その時代のテイストを日常使いで楽しんでもらえるものを提供したいという思いから、ブランド名には「概略・あらすじ」といった意味合いの名前を付けました。そして私のような50歳代後半でも、安っぽくなく安心して着けられて、しかもファッション的にもいい感じで決まる。そんな時計を小ロットでこぢんまりと展開していきたいと考えています。そして今回、その第1弾がようやく完成しました。



1960年代の傑作ダイバーズ ウオッチを
モチーフにしたファーストコレクション


アウトライン(OUTLINE)

 このモデルは、1960年代に開発され、当時ジャガー・ルクルトやロンジンなど名だたるスイスの高級時計メーカーからリリースされていた通称コンプレッサーダイバーをモチーフにしています。そのため、潜水時間を計測するために必要な逆回転防止付き回転ベゼルをケース内の外周部分に装備しているのが特徴です。ムーヴメントには信頼性の高いシチズン・ミヨタ社製自動巻きムーヴメントのなかでも、ヨーロッパやアメリカなどの海外メーカーも好んで使う上位機のCal.9015を搭載。それでいて価格は5万円アンダーに抑えました。文字盤カラーはブラックとネイビーの2種類から選べ、今回は、記念すべきファーストコレクションということから各150本(シリアルナンバー入り)を製作しました。

アウトライン(OUTLINE)

コンプレッサーケースを使って1960年代にスイスの時計メーカーから販売された当時のダイバーズウオッチ。右から、ハミルトン、ウイットナー、エニカ


1960年代に一世を風靡した
コンプレッサーダイバーとは


 さて、このモデルのモチーフとなったコンプレッサーダイバーとはどんなものか、それについて簡単に紹介します。
 本格的なダイバーズウオッチが登場するのは1950年代になってからです。いまでこそ100mもの高い防水能力を備えた時計は数多く販売されていますが、当時は発達した工作機械などはないためすべて手作業で作っていました。そのため50m防水といえども簡単なものではなかったのです。つまり、高度な技術をもつ時計メーカーでしか作れませんでした。そんななかで生まれた最も代表的なダイバーズウオッチが、ロレックスのサブマリーナなのです。潜水時間を計測するための回転ベゼルを装備したスタイルは、今日のダイバーズウオッチにも受け継がれ、もはや代名詞と言える存在です。
 同時期にオメガとブランパンからも、それぞれシーマスター300とフィフティファゾムスという回転ベゼルを持つ同様のダイバーズウオッチが発表されていますが、当時独自に開発できたのは、これらほんの一部のメーカーでダイバーズウオッチの開発がいかに難しかったかがわかります。それが1950年代後半になるとダイバーズウオッチが各社から続々と登場するようになります。その背景にあったのがコンプレッサーケースの存在でした。
 ケースメーカーのEPSA社が1955年に特許を取得したこのコンプレッサーケースは、ケースにかかる水圧を利用して、水深が増すごとに密閉度を高めるというものでした。EPSA社はこれをスイスの各時計メーカーに供給。それによって多くのメーカーでもダイバーズウオッチの製造が可能になったわけです。そして、様々なデザインのダイバーズウオッチが各社から登場したことはもちろん、なかにはこれをベースにさらなる高い防水能力を目指して、独自に開発するメーカーが出てくるなど、ダイバーズウオッチの開発が一気に加速したのです。つまりこのケースの存在そのものが、ダイバーズウオッチの発展に大きく寄与したと言っても過言でないのです。
 今回のモデルは、そんなダイバーズウオッチの開発と発展になくてはならなかった、当時のコンプレーサーケースを使ったダイバーズウオッチをモチーフに作らせていただきました。もちろん、ケースは最新の技術で作られたものですが、コンプレッサーケースを使ったダイバーズウオッチ特有の経過時間を表示する回転式スケールを風防ガラスの内側に設け、2時位置のボタンで操作するとうスタイルなど細かなディテールなど、当時の雰囲気を大切にしながら再現させていただきました。



回転式スケールは潜水時間を
確認するための機能だった


アウトライン(OUTLINE)

 文字盤の外周部分に装備する目盛り付き回転式のスケールは、どれだけの時間を潜水していたのか、その経過時間を把握するために設けられたものです。それは経過時間がそのまま酸素ボンベ内の酸素の残量に直結するからです。そのため左回転のみで右には回転しません。なぜならば誤作動で右に回転してしまうと実際の潜水時間より短く表示されてしまうからです。
 操作方法はいたって簡単です。計測を始める現在時間、例えば10時10分であれば2時位置にある操作ボタンを使って外周部のスケールを回転させ、その上に表示されている▼マークを分針が指し示す10分のところに合わせるだけです。その▼マークを基準点に分針が進んだぶんが経過時間ということになります。ちなみに分針の先端だけが矢印形になっているのは判別しやすくするためです。約60年前とはいえ、ちゃんと考えられていますね。なお、4時位置のボタン(通称リューズ)で日付け調整(1段引き)および時刻調整(2段引き)を行います。操作する際は、防水強化のためネジ込み式になっていますので、一度ネジを緩めてから行います。


※ インナーベゼルに関しまして
本製品は当時のダイバーズウオッチを再現しておりますが、現在の潜水時計規格を満たしているものではありません。逆回転防止インナーベゼルに関してもデザイン上の機構であり、歯車を噛み合わせて右方向への回転を止めるため、若干の遊びが生じる設計となっております。


当時の雰囲気をさりげなく残すため
こんなところにこだわって作りました!


アウトライン(OUTLINE)

風防にK1強化ガラスを使用
風防ガラスの形状は、アンティークウオッチで人気のドーム形ではないですが、ベゼルよりガラス部分を少し張り出させることで古典的な雰囲気を強調しています。今回、この雰囲気を優先するために、サファイアクルスタルガラスではなくあえてミネラルガラスのK1強化ガラスを採用しました。



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古典的なステップベゼルを表現
1940年代のロンジンの時計などに多い仕様で、ベゼルが階段状に段差が付いていることからこう呼ばれています。当時は高い切削技術を要した仕様だったため高度の技術をもつメーカーしか表現できなかったこともあり、アンティーク愛好家にも一目置かれるているディテールです。今回それを表現しました。



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着用感を高めたラグの構造
レザーストラップを付けるラグ部分は手首のカーブになじむように、適度にカーブがつくよう若干下に向けて製作しました。しかも、実際にストラップを付けた際に、裏ブタの底面からラグにかけて、その延長線上くるように設計しているため着けたときに手首になじみやすいと思います。



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1960年代のミラーダイアルを表現
ブラック文字盤はかつて1960年代の初期に作られたサブマリーナが採用する愛好家人気の仕様、ミラーダイアル風に仕上げたため、時分針が文字盤にほのかに映り込みます。ネイビー文字盤はメタル調の質感でサンレイ仕上げを施しています。そのため光の加減で表情が変化しレトロモダンな雰囲気です。



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ブラックとネイビーで違う仕上げを採用
今回、文字盤はブラックとネイビーの2種類用意しました。ただ、それぞれにケースの仕上げを変えています。ブラック文字盤はスポーツウオッチらしくツヤのないサテン仕上げ。一方のネイビー文字盤はメタリックな文字盤に合わせて鏡面のポリッシュ仕上げを施し、よりモダンな印象にしています。



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経年変化による焼け感を演出
文字盤に12個あるくさび形のインデックスに塗布したルミノヴァ夜光塗料は、顔料を少し加えてアイボリー調の色合いに変更しています。かつて一般的に使われていた夜光塗料は放射性物質のトリチウム。これは経年によって焼けたように飴色に変化するため、その焼けたアンティークの味わいを表現しました。



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外周部にシリアルナンバーを刻印
裏ブタは風防と同じK1強化ガラスを仕様したシースルーバック仕様になっているため、機械式時計の魅力のひとつであるムーヴメント心臓部の動きを楽しむことができます。しかもネジ込み式を採用し10気圧防水を備えているため安心です。外周部には「000/150」の限定シリアルナンバーが刻印されています。



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搭載するのはCal.9015は、日本を代表する時計メーカー、シチズンのエボーシュムーヴメント部門であるミヨタ社が2009年に発表した自動巻きムーヴメントです。同社の8000番台の廉価版と違い、毎時2万8800振動のハイビートで精度も非常に高く、ヨーロッパやアメリカなど海外でも信頼性の高い機械式ムーヴメントとして多くのメーカーで採用されています。


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レザーストラップにはイタリア製のヴィンテージ調レザーを採用。アンティークな風合いを強調すると同時にファッション性を高めました。それに対して付属の換えストラップは、少しかっちり目に合わせたいときのためマットな質感のイタリア製カーフを使用したクラシカルで落ち着いた雰囲気のレザーストラップにしました。両者とも裏材には水・汗に強い合成皮革「ロリカ」を使用しているため、夏でも安心です。また、ピンレバー付きのバネ棒のため、工具がなくともワンタッチで簡単に交換ができるのも特徴です。


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信頼性の高い、メイド・イン・ジャパン
全体の雰囲気が良くても時間を知る道具としての信頼性がなければ意味がありません。クオーツ式と違いデリケートな機械式の場合はなおさらです。そこで、針の取り付けからムーヴメントの組み込み、そして防水性、チリやホコリの混入などのすべての品質管理は、多くの国産時計メーカーに実績のある長野県安曇野市にある精密機器メーカー、南安精工にて行ないます。



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私自身が実際に着けてみるとこんな感じです。私は極端に手首が細いため40mm径ながら若干大きく見えますが、普通の人なら手首の幅にラグ部分が納まるためちょうど良いのではないかと思います。スポーツウオッチですがクラシカルな雰囲気で厚さも12mm台に抑えたためビジネスシーンでも落ち着いて見えます。もう少しカチッとしたい場合はヴィンテージレザーではなく、付属のプレーンなストラップに付け換えるとよいでしょう。

 

 

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